ドラマ「FARGO/ファーゴ」シーズン1の登場人物・キャスト・内容・ネタバレ感想
今回ご紹介するのはドラマ「FARGO/ファーゴ」シーズン1(2014年)。
本シリーズはコーエン兄弟の映画「ファーゴ 」(1996年)がベースになったクライムドラマで、コーエン兄弟も製作総指揮として参加しています。
アメリカ極寒の地のミネソタ特有の雰囲気や、ダークユーモアそのままに、ドラマオリジナルの新たなストーリー展開に注目です。
あらすじ
ドラマ「ファーゴ」は同名の映画「ファーゴ」から着想を得て、脚本家のノア・ホーリーが脚色したまったく新しい犯罪ドラマ。映画とは違う登場人物を迎え、ユーモア、殺人、ミネソタ人の気質が詰まった不朽の名作。【Huluより引用】
- 「人喰いワニのジレンマ」
- 「おんどり王子」
- 「泥の道」
- 「知らぬ存ぜぬ」
- 「愚か者の群れ」
- 「ビュリダンのロバ」
- 「理髪師の髭を剃るのは誰?」
- 「砂山のパラドックス」
- 「狐と兎とキャベツ」
- 「モートンの熊手」
予告動画
登場人物・キャスト・吹き替え
✅レスター・ナイガード
演:マーティン・フリーマン
吹替:森川智之
✅ローン・マルヴォ
演:ビリー・ボブ・ソートン
吹替:山路和弘
✅モリー・ソルヴァーソン
演:アリソン・トルマン
吹替:高橋里枝
✅ガス・グリムリー
演:コリン・ハンクス
感想
捨てエピソードの無い超良作ドラマ
感動する内容じゃないはずなのに、何故か最終話泣けたんです。
すんごい緊張感ありましたし、これまでずっとずっと追って来た犯人、人物と対面する瞬間がやっとこさ最終話で実現したんですもん。
引っ張って引っ張ってためてためてだったもんだから、何か感情がゾワゾワ~っと来ましたよ。
過激じゃないけど、ブラックユーモアと残酷さのさじ加減が絶妙で、毎回独特な後味を残してくれましたよ。
ただおバカなユーモアじゃなくって、どこか知的センスのあるブラックさなんですよね。正直理解出来てない言葉(言葉遊び)も多いから、細かい部分にもビビッと来れる人は更に面白く感じるかも。
これはぜひ観てもらいたいドラマです!
ってしょっちゅー言ってるってか(笑)
超薄情な男、レスター
まずはじめに紹介するのは、何しても冴えないし認めてもらえない保険販売員のレスター(マーティン・フリーマン)ですかね。
最初は彼にちょっぴり同情しちゃってたんです。
でもエピソードを重ねるごとにレスターを、そして演じているマーティン・フリーマンも嫌いになりました(笑)でもこれってある意味素晴らしいキャラ作りですよね。
「偶然の出会い」と「一言」がキッカケで、殺人事件に巻き込まれるんですが、気弱な被害者ぶって逃げ回ってる彼にイライラしましたよ。
途中で自分とは正反対な実弟とその息子に罪を着せたりと、長年の恨みと妬みと怒りから分からなくもないけど、人間性を疑っちゃうような嫌な奴っぷりを発揮してました。
レスターって結局は誰の事も心底愛してなかったのねと、さびしくなりましたもん。
同級生サム・ヘスの殺害依頼をしたことで人生激変!
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バレないように捕まらないように、アレやコレやとバカバカしいけど工作するんですよね。
そしてそれが上手くいって無能な警察(一人は有能だけど(笑))は
「やっぱりレスターは被害者なんだよ。あのレスターには出来ないよ。」
と納得(処理)しちゃうんです。
田舎で顔見知りの多い土地なので先入観とかも強く、なぁなぁな感じ。
後ろは無能な署長ビリー(ボブ・オデンカーク)
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↓アリソン・トルマン主演のドラマ「Why Women Kill~ファビュラスな女たち~」シーズン2
「殺人」キッカケで人生上向きに
自分はカッとして妻を殺し、同級生サムの殺人事件の関与に知らん顔。
冴えなかった人生が段々と好転して仕事もうまくいき始め、それまでの弱気なレスターじゃなくなってキャラまでも変わっちゃいます。
ちょっと女性にも積極的になったりしてイライラしました(笑)
このドラマって、幸せなカップルにも甘い描写は無くてカラッとしてるんですが、それでも束の間流れたレスターの腰振りなんて超ゲンナリ描写でした(笑)観たくなかったな。
知性溢れる殺し屋マルヴォ
そしてお次は、インテリで知性溢れる殺し屋、ローン・マルヴォです。
マルヴォを演じたビリー・ボブ・ソーントンが素晴らしかったです。
最初は「殺し屋?」とピンと来なかったんですが、最後は彼以外考えられないほどドンピシャでシビレちゃいましたよ。
冷酷残忍なんですが、ただ怖い殺し屋じゃなくって妙に人間臭い部分もあったり、彼の台詞には意味や面白み、深みがあって見入ってしまいました。
一応メインはレスターだとは思うんですが、各エピソードでマルヴォが関わる人物達との場面がとっても面白かったですね。
”殺し”とは無関係、無縁っぽい良い関係に見えても最後は成り行きで始末しちゃう残酷な面を見せられるんで目が覚めます(笑)不意打ちみたくダメージあります。
その手口も様々なんですが、それまでの関わりの時間とは対照的にアッサリね。
中には見せ物のような場面もありましたが……
マルヴォは人を操る天才!?
個人的にはマルヴォが途中雇われる、スーパー経営のスタヴロス(オリヴァー・プラット)関連のエピソードが、やたら意味深だなと思いました。
傲慢なスタヴロスは、自分の雇ったマルヴォに裏切られてることに気づかず、次々起きる不可解な出来事で精神的に追い込まれてしまいます。
キャラ的には、いかにも自分の力だけで大成功したんだぜ!と強気で商売繁盛して怖いもん無し状態。
でも一つ気がかりなのは自分の所に届いているお金を要求する脅迫状。
これは一体誰の仕業?多分離婚調停中の妻だよ、妻!
とマルヴォに調査を依頼したスタヴロス。
だけど思いもよらぬ展開になりました。
実は脅迫状を送っていたのは、妻ヘレナのインストラクターだったんです。
それに気づいたマルヴォは、インストラクターと共謀してスタヴロスを脅迫し続けました。
このインストラクターの彼がね、もうマジでお馬鹿さんで。
マルヴォのお得意の嘘スマイルに疑問も持たず、脅迫ごっこが楽しくってたまらないんですよね。変声機使った脅迫電話をかけるの楽しんでたしね。
マルヴォに対して怖さを感じてなくて、全て終わって用が済んだら自分は消されるなんて思ってもいなかったみたいだし、愉快な仲間、相棒感覚でいる彼の最後は残念でなりませんでした。
全10話の中で一番壮絶な結末を迎えた人じゃないでしょうか。
良い掛け合い、連携プレイだったのにな(笑)
警察の足止めをするために工作したマルヴォ。彼が蜂の巣状態になるのを狙ってるわけだし直接手を下すよりも残酷ですよね。
殺し屋2人組
そしてサム・ヘスを殺害した犯人を追っている殺し屋二2人組も登場。
彼らはレスターからマルヴォの名前を聞き出し、少しずつ近づいては来たのですが、意外と出番が少なかったかな!?
レスターとの絡みは面白かったなぁ。
ちょっと緩い殺し屋2人組なんですが、マルヴォとの吹雪の中の銃撃戦はドキドキしました。この場面では銃声を聞き駆けつけたモリーもいましたし、後に夫となるガスもいました。
みんな立場は違うけどマルヴォが関わってる事件で繋がってて、その姿をその顔を見よう、捕まえようと必死なんです。みんながマルヴォに振り回されてるんです。
すぐ目の前にいるはずなのに吹雪で見えない。自分が先に殺されるかも!?
じれったい感じもこりゃまた隠し味なんです。
大胆な犯行だけど派手じゃないし、空気みたいにフワリと現れササ~っと消えていく男・マルヴォ(笑)
ガスの後悔
いつも弱腰フェイスなガス(コリン・ハンクス)は警察官で、ジョーイ・キング演じるシッカリ者の娘グレタと暮らしていました。
彼はある時マルヴォに職質をしたんです。
でも不気味な喋りで遠まわしに脅され、そのまま見逃した事を悔やんでおりました。
「あの時捕まえておけば……」
自分を責め、責任を感じ、悩んでたんですよね。
不審な点を見つけ出せず釈放
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この時の釈放はホンット悔しかった!
やっとこさ責任を果たせたような気がしたのに。
ちゃんと殺し屋業の傍ら牧師設定で身分証明や活動の記事まで作ってあって、取り調べではまるで別人。
なのにガスと2人の時は普段のマルヴォなんですよ。強気ですよね。知らばっくれずにね。
「もうすぐ君は”こんなの間違ってる!”って言うよ。」
と何の前触れもなくマルヴォが言い出して、ガスも「??」だったんですが、この釈放について嘆くガスの台詞だったんですよねぇ。予言者かよ!
マルヴォの言葉(台詞)って鋭くないけど、まとわりつくような怖さがありますよね。人を追い込んだり誘導させたりするのも上手だなと。
FBIの2人組
2人組繋がりで言えばこのFBIの2人組が笑い担当だったかな。
マルヴォは殺し屋を送り込んで来たファーゴのアジトで皆を射殺するんです。
「おいおい!気づけよ!」と言いたくなるくらいデッカイ銃を抱えて、張り込み中のFBIの車の前を歩いて行くんですが、喋りに夢中だったもんで気づかず。
毎日毎日張り込んでたけど動きがなくって退屈してたんでしょうねぇ(笑)
1年後に運命の再会
8話目でいきなり1年後に。
マルヴォもレスターも捕まっておらず、それぞれの生活をしてたんですが、ラスベガスのホテルでバッタリ再会してしまって急展開でしたね。
歯科医で若い女性と婚約していたマルヴォは、楽しそうに友人達と談笑。
レスターは保険業界営業トップで表彰され会社も独立して、以前働いていた保険会社の同僚と結婚しておりました。
レスターは何でしつこく声をかけたんでしょうね。この時声をかけなかったら話しにならないだろうけど、何度も否定されても追って声をかけるってね。
マルヴォのせいでエライ目に合って来たけれど、事態を悪化させてたのはレスターだし生かしてくれてたわけだし。
しつこく声をかけた結果、マルヴォは婚約者と友人夫婦を殺して、レスターに目をつけて追って来る流れに。
ビクビクして嫁とホテルから逃げるように帰って、嫁の機嫌取りも兼ねてアカプルコへそのまま旅行へ行こうとしてましたが、ラスベガスの事件で目撃者として事情を聞きたいと、またもやモリーに足止めされちゃってました。
アッサリ嫁を裏切るレスター
最初にも書いたんですが、レスターって誰の事愛してたのかな?
やっぱり自分の事を一番に愛してたんだろうなぁ。
アカプルコに逃避行する前に、自分の事務所に必要な物を取りに行ったんです。
だけど内心では、マルヴォが自分を狙ってるかもしれないから怖い!
車を事務所から少し離れた所に停めて、実は腰痛だと嫁に嘘をついてました。彼女はかわいそうにとレスターを気遣ってくれるんです。
それなのに嫁に自分のコートを着せ「寒いからフード被りなよ。」と言い、マルヴォが待ち伏せてるかもしれない事務所に行かせたんですよ。
もちろん嫁はレスターの魂胆なんぞ知りません。
案の定マルヴォは待ち伏せしていて、入って来た嫁をレスターだと思って射殺。
レスターの事はほぼ通しで嫌いだったけど、終盤はマジで大嫌いだったな!
自分が殺した長年連れ添った嫁には、毎日小言を言われけなされ散々だったけど、この嫁さんはレスターに恋してる感じで良い子だったんですよね。
何の疑いも持たずレスターの言う事を聞いてくれていたし、不満も言わず彼を尊敬し感謝してくれてる子だったのになぁ。
予想通り殺されてしまった嫁に対して、スマナイ気持ちとか後悔とかじゃなくって、ここでもやっぱり得意な保身でしたからね。
アリバイ工作や証拠隠滅やらばっかでもう本当ヤな奴だった!
わざとだと思うけど、被害者面して嘆くレスターの芝居がクサイ。
モリーは呆れてるけど署長のビリーは同情しちゃってるし、本当見る目ないなぁ~ビリーさん。
田舎の署長とは言えこれじゃ犯罪し放題だな。
ダイナーでの会話
レスターのせいで舞い戻って来たマルヴォ。
レスターの家に行ったけどすでに住人は変わっていて分からず、休憩がてら情報収集に入った店はモリーの父(キース・キャラダイン)が経営するダイナーでした。
どっちも頭のイイ男。
レスターの居場所を知りたいマルヴォに警戒してる様子で、安易に話してしまわないところがかっこ良かったなぁ。
「あなたの連絡先を教えてくれたらレスターに伝えます。」
ってね。妙にヒヤヒヤする場面でした。
そうだ、この時もマルヴォを追う面々はニアミス。FBIと待ち合わせしているモリーがダイナーに入って来たタイミングで、マルヴォは裏口から出ちゃったんですよね。くそー!
緊張しっぱなしの最終話
それにしても最終話は緊張しっぱなしでしたよ。ちょいちょいレスターにイラッとしながら緊張してました(笑)
二人だけの戦いにならず、それぞれのエピソードがさり気なく絡んでる点も好きです。そう来たかっ!と。
レスターの池ドボンはシュールで滑稽だったなぁ。直接射殺されるよりも彼らしいなと。
追い詰められて必死に薄氷の上を走って割れて落ちましたが、「助けてぇ~!」ってもがく描写なくスマートに、コンパクトにいなくなりました(笑)
え、まさか助かってないよね?
このドラマを観て、マーティン・フリーマンを激しく嫌いになったけど、ビリー・ボブ・ソーントン大好きになっちゃいました。
当時新人女優とは思えないアリソン・トルマンの自然で豊かな表情、演技も良いし、父譲りなのか繊細なキャラがピッタリのコリン・ハンクス(父はトム・ハンクス)も良かったなぁ。
めきめき成長して顔が変わって来てるジョーイ・キングちゃんも、男っぽくって生意気で可愛かったです。
「ブレット・トレイン」にも出てます!
シーズン2も面白い!
ハイクオリティを保ち続けたドラマ「FARGO/ファーゴ」。
シーズン2は時代設定を映画よりも更に前の1979年にし、すべてのはじまりとなる事件が描かれています。
キャストはガラリと入れ替わっていますが、大物&実力派俳優勢揃い。
シーズン1をも上回る濃い~内容です。
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