B級映画だと舐めてかかったら大後悔!「イット・フォローズ」の底なし沼へようこそ
B級映画だと舐めてかかったら大後悔した、2014年のアメリカ映画「イット・フォローズ」。
本当にゼロ情報で観始めたのが良かったのか、最後まで釘付けでした。
低予算感はあるけど、それを言い訳にしない面白さ。
まさにこの一言に尽きるんです。
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▶何も考えずに選んだ映画「イット・フォローズ」が面白かった!「それ」は肉体関係を持つと感染。この余韻たまらん!観終わった後に、後ろ振り返ったのは言うまでもない🤣もっと若者が騒いで逃げるザ・B級を想像していただけに、忍び寄る静かな怖さは美味! pic.twitter.com/rVb5Fe9AdU— パー子 (@pchiku_pa_ko) June 23, 2025
安っぽさなんて微塵も感じさせない、じわじわと背筋を凍らせるような恐怖と、観るほどに深まる謎。
私の深掘り熱が上昇したのは言うまでもありません(笑)

ここからは、ただ怖いだけではない、思考を刺激する作品の魅力に迫っていきます!
「イット・フォローズ」とは?その斬新な設定
まず、「イット・フォローズ」がどんな映画なのか、簡単にご紹介します。
デヴィッド・ロバート・ミッチェル監督が手掛けた本作は、性行為を通じて感染する、見た者だけを追いかける超自然的な存在「それ」に憑りつかれた若い女性、ジェイの恐怖を描いています。
あのクエンティン・タランティーノ監督が「とにかく恐い!こんな設定のホラーは見たことがない!」と絶賛したことでも知られ、低予算のインディーズ作品ながら世界中で大ヒットを記録しました。

その独創的なアイデアと心理的な恐怖描写は、批評家からも高く評価されています。
「それ」の正体は何?
「それ」のルールと監督の言葉
この映画を観て、気になったのはやはり「それ」の正体じゃないでしょうか。
私も「一体あれは何だったんだろう?」と、その意味を深く考えさせられました。
この謎の「それ」については、いくつかの明確なルールと特性があるんです。
- 性行為で感染!:衝撃的でB級展開を想像してしまう設定(設定的に家族との視聴は気まずい!とは言え、若者のヌードはなし)
- 感染者しか見えない!:周りの人には見えないものに怯える主人公ジェイが気の毒
- 歩いて追いかけて来る:走るでもなく早歩きするでもなく、自転車や車に乗るでもなく、歩いてゆっくりジワジワと近づいてくる様子が、逆に不気味で怖い!
- 色々な人の姿になる:知らない人や身近な人の姿で現れ、半裸や全裸、寝間着姿ばかり
- ターゲットを殺すと、前の人へ戻る:誰かに移しても、その人が死亡すると又自分に戻ってくるという、逃げ場のないルールにゾゾゾッ!
で、肝心の「それ」の正体ですが、実はこれ、監督自身も「答えはひとつじゃなくてもいい」と語っています。うひょー!
彼曰く、「それ」は夢の中の論理のようなものであり、その起源そのものにはあまり興味がないそうです。
私は「それ」の正体はサッパリ分かりませんでした。
観始めた段階では、若い男女が好き放題して何かに媒介されて謎の死を遂げるとか、「スピーシーズ」的なものだと思ってたんです。
こりゃ全然違う方向見てたでしょ(笑)?
観終わった後も、適格な言葉が見つからないというか、ボヤ~っとした不安的なものを感じました。
そう。だから色々な人の解釈に触れるのが凄く楽しいし、これこそが監督の狙いだったのかなと。

ちなみに!よく言われていた「それ」=性病説は、監督が後に「間違いである」と語っています。
視聴者の様々な解釈
ハッキリ答え合わせのない作品だったので、考察好きな視聴者の間では様々な解釈が生まれています。
「死」そのものの象徴
最も有力な解釈の一つです。
性行為が「生」の始まりを象徴し、その瞬間から「死」へのカウントダウンが始まるという考え方。
常にゆっくりと近づいてくる「それ」の姿は、時間の経過と共に避けられない「死」の必然性を象徴しているかのようです。
大人になることへの不安
物語の登場人物がほとんどティーンエイジャーであることから、思春期から大人へと移り変わる際に伴う、性的な経験、責任、そして将来への漠然とした不安を象徴しているという見方もあります。
性的暴行やトラウマ
性行為を通じて感染するっていう設定や、ジェイがクロロホルムで眠らされて目覚めるシーンとか、もしかしたら性的暴行のトラウマを表現してるんじゃないかっていう、ちょっと重い解釈もあります。
トラウマって形を変えてもずっと付きまとってくる点が、「それ」と重なると言われています。
深層心理の反映
「それ」が様々な人物の姿をとることから、ターゲットの深層心理にある不安や恐怖を映し出しているという説も提唱されています。
例えば、ジェイが最初に見たおばあさんの姿は「老いと衰退」を連想させたり、半裸の女性は性的な不安とか。
このように「それ」の正体については、観る人それぞれの解釈が存在し、それがこの映画の魅力のひとつとなっています。
監督のこだわり炸裂!制作裏話&トリビア
こんなに深いテーマを持った映画は、一体どうやって作られたのか、その裏話やトリビアもご紹介します。
監督の悪夢が原点!
なんとこの映画のアイデア、監督が幼い頃によく見ていた「何かにゆっくりと追いかけられる」という悪夢がきっかけだそうです。
まさに悪夢が具現化したホラー映画!

自分の怖いものが作品になるというところに、クリエイター魂を感じます。
まさかの低予算から大ヒット!
製作費はたったの130万ドル~200万ドル(約1.5億円~2億円くらい?)という低予算ながら、世界中で2330万ドル以上(約30億円以上)の興行収入を記録するスマッシュヒットとなりました。

その斬新なアイデアと質の高さが、多くの観客と批評家に刺さった証拠ですね。
時代設定が曖昧なのはなぜ?
映画を観てると「あれ?これいつの時代?」って気になりませんでしたか?
ブラウン管テレビが出てきたかと思えば、スマホみたいなハイテク電子書籍が出てきたり、ちょっと混乱してしまいました。
これは、監督が意図的に時代設定を曖昧にしたそうです。特定の時代に縛られずに、まるで夢の中のような、普遍的な恐怖を描きたかったからだとか。

なるほど〜!確かに夢って時間軸がバラバラだったりしますもんね。
カメラワークが計算され尽くしてる!
すごくゆっくりとしたカメラワークが多い点も印象深かったですね。
特に長回しを多用して、視聴者に不安を感じさせるような、客観的な視点が多かったように思います。
特に背景に映る人影が「それ」ではないかと視聴者に意識させるような演出は秀悦で、画面の奥に「それ」を探してしまう、独特の没入感を体感してしまいました。
主演マイカ・モンローのプロ根性!
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主人公ジェイを演じたマイカ・モンローが、芯の強さも虚無も持ち合わせているようなキャラクターで、非常に魅力的でした。
監督も「本当にタフで素晴らしい女優」と大絶賛していて、特に水中のシーンは大変だったらしいですが、ほとんどのスタントを自分でこなしたそうです。
巨人の男性の意外な正体
「それ」の姿は色々な人が演じていますが、ジェイの部屋に侵入する巨人の男性は、デトロイト出身のマイク・ラニアーが演じていました。
彼は俳優ではなくゼネラル・モーターズのエンジンデザイナーであり、身長2m31cmでギネス記録を持つ人物です。

てっきり加工かと…ユニークなキャスティングも、リアリティな不気味さになってるのかもしれませんね。
残念ながら、マイク・ラニアーは「イット・フォローズ」出演から4年後の、2018年4月25日に膵臓がんのため48歳という若さで亡くなっています。
彼は若いころはバスケに打ち込み、SF好きでユニークな人柄だったそうです。
「イット・フォローズ」が唯一の俳優経験ですが、作品に忘れられない恐怖を刻み込むほどの存在感でした。
結末の意味
映画のラストシーンでは、ジェイとポールが手をつないで歩くその後ろに、ゆっくりと人影がついてくる様子が描かれていましたが…これは単なる通行人なのか、「それ」なのかどちらだったんでしょうか。
この曖昧な終わり方についても、いくつかの解釈があるんです。
ハッピーエンドと解釈する見方
共に前進する覚悟
ジェイとポールが同じ恐怖(死や人生の困難)を共有し、共に前向きに進み続けることを選択したという解釈が有力です。
人生に死が避けられないように、恐怖もまた常に存在し続けるが、愛する人と共に生きることでその恐怖を乗り越え、生を尊ぶことができるというメッセージが読み取れます。
この視点から、ラストを「ハッピーエンド」だと捉えることもできます。
意識しない限り追いつかれない
それ」がゆっくり歩き、足を止めない限り追いつかれないという説に基づけば、彼らが「それ」を意識せず前進し続けることで、恐怖を和らげることができるというポジティブな示唆と捉えられます。
ハッピーエンドではないと解釈する見方
恐怖の継続
ラストの人影が「それ」であるとすれば、呪いは完全に消滅したわけではなく、彼らはまだ恐怖に追われ続けていることになります。
これは「死の恐怖」や「人生の困難」は避けられないものであり、常に付きまとってくる現実を示唆していると捉えられます。
「それ」を人に移しても逃れられない事実
ヒューがジェイに呪いを移した後も「それ」が見え続けていたことや、ターゲットが死亡すると呪いが前の人物に戻るシステムを考えると、呪いを他人に移しても根本的な解決にはならないという現実が示唆されています。
成長と苦悩の並存
性的経験を通じて大人への扉を開けたジェイが、新たな責任と終わりのない恐怖を背負うことになったという、青春の終わりと苦悩の始まりを描いているという解釈もできます。
監督の思い
監督は明確な答えを与えず、視聴者がそれぞれの人生観や哲学に基づいて物語の結末を考えることを促しています。

多くの視聴者は、たとえ恐怖が完全に消え去らなくても、愛する人と共にその恐怖に立ち向かうことの尊さを示唆しているという、希望と現実が混じり合った解釈をしているようです。
サウンドトラックの秘密
「イット・フォローズ」の独特で不穏な空気、じわじわと追ってくる感覚は、映像だけじゃなくサウンドトラックにも大きな要因があったように思います。
個人的にお気に入りなのは、「Detroit」という曲。
どこかで聴いたような懐かしさを感じる、気怠いけど身を任せたくなる、じわじわと追って来る「それ」のように、体中の神経を浸食していくような感覚になるんです。
ある曲だけ、飛び抜けてカッコイイ!というより、映画の世界観を貫いたこだわり勝ちという感じ。
他の場面で使われていたサウンドトラックは、Youtubeでまとめて聴けるので、興味のある方はぜひ。
きっと本作を観た後なら、高確率で「あぁ、あの場面やな!」となるはず。
さて、そんなサウンドトラックの秘密にも迫ってみましょう。
サウンドトラックの生みの親はディザスターピース
映画の音楽を手がけたのは、リッチ・ブリーランドこと、ディザスターピース(Disasterpeace)。
この名前、なんと「マスターピース(傑作)」をもじったものなんだそうですよ!
名前からしてもう、ただ者じゃないオーラ全開ですよね。
彼は2012年に、ゲーム『FEZ』のサウンドトラックで一躍有名になったんです。
監督のデヴィッド・ロバート・ミッチェルも、『FEZ』をプレイして彼の音楽にすっかり魅了されちゃって、「この人しかいない!」って思ったそう。
監督が求めていたのは、「個性的で大胆なエレクトロニック・スコア」。

ブリーランドに直々にオファーメールを送って、熱烈にアプローチしたそうです。
タイトな制作秘話:挑戦と葛藤の日々
映画の音楽制作って、実はすごく大変なんです。
特に「イット・フォローズ」のサントラは、かなりの難産だったらしい。
ゲーム音楽からの転換
ブリーランドは主にゲーム音楽の経験が豊富だったんですが、ゲームってプレイヤーの行動で展開が変わるから、音楽も漠然とした雰囲気作りがメインなんですよね。
でも映画は、決まった物語にピッタリのタイミングで音を合わせる必要があるから、そこが大きな挑戦だったみたいです。
『FEZ』からの再構築
監督から渡された仮の音楽の中には、なんとブリーランド自身の『FEZ』の曲も含まれていたんだとか!
自分の作った曲を、また映画の雰囲気に合わせてガラッと変える作業は「かなり大変だった」って振り返っています。
「狂乱」のラストスパート
カンヌでのプレミア公開まで、残された期間はたったの3〜4週間!
映像の最終調整から音楽、音響、色調整まで全部仕上げなくちゃいけなくて、監督も「狂乱だった」って言うほどのギリギリの作業だったらしいんですよ。
ブリーランドも、プレミアの数日前まで作曲作業を続けていたんだそうです!

ギリギリの状況で作られたにも関わらず、監督はブリーランドの才能を大絶賛!やはりプロは凄い!
聴く人を不安にさせるサウンド
こうして生まれた「イット・フォローズ」のサウンドトラックは、批評家やファンからも高く評価されているんです。
具体的な内容をまとめたのが、こちらの一覧表です。
評価・影響のポイント | 詳細 |
---|---|
不吉な雰囲気の演出 | 「不吉な雰囲気」をこれでもかと醸し出し、作品の「背骨」として高く評価/音によって、じわじわと迫る恐怖が効果的に演出されている |
懐かしさと新しさの融合 | 1970〜80年代のクラシックホラー映画(『ハロウィン』や『13日の金曜日』など)の音楽に敬意を払いながらも、古臭さを感じさせない、非常に新鮮なサウンド |
「聴くホラー」体験 | 音楽を聴くだけで怖くなると感じる観客もいるほど、不安を強く掻き立てる力を持っている/「運転中は聴かない方がいい」という声もあるくらい、まさに「音のホラー」として評価されている |
80年代シンセサウンド | 80年代のシンセサイザーを多用したサウンドは、映画『ドライヴ』の音楽にも通じるものがある/このレトロでありながら斬新なサウンドが、映画全体の独特な世界観の構築に大きく貢献 |
やはり、音楽の力は凄い!
「イット・フォローズ」は映像も美しいですが、このサウンドトラックがなければ、ここまでの怪作にはならなかったんじゃないでしょうか。

もし、これから観る方は「音」にも注目して、その恐怖と美しさを全身で味わってみてくださいね!
「イット・フォローズ」の続編「ゼイ・フォロー」について
なんと!
「イット・フォローズ」の成功を受けて、続編の製作が正式に決定しており、タイトルは「ゼイ・フォロー」となることが発表されています。
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項目 | 詳細 |
---|---|
タイトル | 『They Follow』(ゼイ・フォロー) |
監督 | デヴィッド・ロバート・ミッチェル(前作に引き続き脚本・監督) |
主演 | マイカ・モンロー(主人公ジェイ役を続投) |
制作決定時期 | 2023年10月末に製作決定が報じられた |
制作会社 | 情報なし |
配給 | Neon(ネオン)が担当し、American Film Market(AFM)でローンチ予定 |
公開時期 | 具体的な公開日は未定 |
ストーリー展望 |
|

オリジナル作品の核となるクリエイティブチームの再集結に、ファンからの期待が高まっています。
まとめ
「イット・フォローズ」は、単なるホラー映画ではない!
この作品は、人生で誰もが経験する避けられない恐怖、大人になる過程での戸惑い、そして愛や友情の大切さについて深く考えさせてくれます。
この映画に登場する「それ」は、観る人それぞれの内にある恐怖や人生観を映し出す、多様な意味を持つ存在として描かれているんです。

あなたにとっての「それ」は何を意味しましたか?この映画を観て、どんなことを感じましたか?
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