「気づけない毒親」ってどんな内容?毒親とは何なのか。毒親にもいろいろな種類があるって本当?
普段からいつも本を読んでいるわけではないのですが、落ち込んだり悩んだり、何か自分を変えたいと思った時に、本を手に取る癖があります(笑)。
息子が生まれてからは、「考える」ことや「振り返る」ことが増えたせいか、「自己啓発」「子育て」「自己肯定感」「言葉」「筋トレ」といったワードに、特に関心が集まるようになりました。
そんな中、子育てについて考えていた時、自分の子ども時代を振り返り、衝撃を受け、影響を受け、変化を与えてくれた一冊の本「気づけない毒親」について、今回は詳しく語りたいと思います。
「気づけない毒親」作品情報
タイトル | 気づけない毒親 |
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発売日 |
2019年6月22日頃
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著者 | 高橋 リエ |
出版社 | 毎日新聞出版 |
発行形態 | 単行本 |
ページ数 | 192ページ |
ISBN | 9784620325903 |
内容紹介(出版社より) |
高齢な毒親が増えている現状を踏まえ、毒親に育てられた世代が抱える親子関係の修復法を伝授。仲良し親子に見える関係にも潜む問題点や、子育て世代になった娘が抱える母親との関係性の疑問、介護への影響など、具体的な事例を交えながら解説。巻頭には「毒親チェックシート」を掲載し、新しい親子関係の築き方を提案。
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内容紹介(BOOKデータベースより) |
仲良し親子に見える関係にも、子どもにとっての呪縛となるケースがあることを指摘し、親子の新しい関係性の築き方を提言。
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目次(BOOKデータベースより) |
1. 毒親って、どんな親?(毒親度チェック、毒母のタイプなど)<br>2. 日本の子育てが、おかしくなっている(生きづらい大人、感情をマヒさせた日本人など)<br>3. 心配性で過干渉な親が子どもに呪いをかける(毒親後遺症、親への本音の伝え方など)<br>4. 家族の関係をよくするために(親子バトルの原因、父親の役割など)
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著者情報(BOOKデータベースより) |
高橋 リエ:母娘*謎解きカウンセラー。自身の経験と心理療法に基づき、親の呪縛から解放されるためのカウンセリングを提供。サロンには多くの女性が参加し、3,000名を超えるカウンセリング実績を持つ。
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読んでいると溢れ出してきた記憶と感情

Ulrike MaiによるPixabayからの画像
決め手は読みやすさ
当時、仲良くしていた友人から言われた一言で、私の世界が広がったように感じました。
「もしかして、パー子って毒親育ちなんじゃない?」
まだ「毒親」という言葉には馴染みがなかったけれど、漢字から何となく想像はできました。
何か新しい発見をしたような、道が開けたような、そんな気分になったのを覚えています。
すぐに「毒親」について書かれた本を読もうと本屋へ行き、手に取ったのが高橋リエさんの「気づけない毒親」でした。
書店の棚には他にも何冊か関連本がありましたが、口コミなどを調べる時間も惜しく、中身をパラパラとめくって、その時の自分が「読みやすい!」と直感的に感じたのが決め手でした。
上から目線で難しいことが延々と書かれている本も多い中、「気づけない毒親」は、分かりやすい例えで難しい言葉を使わずに優しく説明されており、とても読みやすかったです。
「毒親」というテーマは、内容を理解するだけでもかなりの精神的な負担がかかります。
長年信じてきたものが崩れるような感覚になるので、読む前から身構えてしまうこともあるでしょう。
そんな時に、頭に入ってきにくい難しい言葉ばかりが並んでいると、私なら途中で読むのをやめてしまっていたと思います。
自分と向き合うということ
本を読み進めていくうちに、まるで記憶の扉が開いたかのように、子どもの頃に感じた傷ついた経験や感情が次々と溢れ出してきました。
それまでバラバラだった自分の感情や行動に一本の線が繋がり、今の自分との繋がりが見えてきたような、そんな感覚でした。
本当に多くの気づきと学びがあり、自分の中で何かが大きく変わったと感じています。
「何を大げさな…」と思われるかもしれませんが、子育てをしていると、誰もが一度はぶつかる壁があるのではないでしょうか。
ちょっとしたことで自己嫌悪に陥ったり、気持ちが沈んでしまう時期があったり…。
きっと誰もが「理想の親像」を持っているのだと思います。
特に子どもが3歳くらいになると自己主張が強くなり、親との衝突も増えがちです。
幼稚園に入園すると、他の親子との関わりも増え、自分との違いに戸惑うこともあるでしょう。
「○○ちゃんのママは、あんなに優しく子どもに接している。すごいな、私も見習おう」と頑張ってみるものの、理想通りにはいかない。
つい子どもに強く当たってしまい、「どうして私はこんなにダメなんだろう…」と落ち込む。
そんな無限ループに陥っているママも多いのではないでしょうか。
元気な時はすぐに立ち直れるけれど、悪循環にハマってしまうと、何をやってもうまくいかず、イライラして自分を責めてしまう。
周りと比べては落ち込み、全てから逃げ出したくなる。
誰かに相談できればいいけれど、一人で抱え込んでしまう人もいるかもしれません。
私も、そこまで深く落ち込むことはなかったものの、息子が幼稚園年中から小学1年生の頃は、色々と悩んだ時期でした。
ママ友の何気ない言葉に傷つき、落ち込むこともありました。
「こんな風に子どもに接したい」「こんな風に子育てしたい」という理想と現実のギャップに悩み、どうして理想通りにできないのか、過去の自分に目を向けるようになったのです。
自分が子どもの頃、親にどう育てられたのか。
親はどんな時、どうしていたのか。
過去を掘り下げていくうちに嫌な記憶が次々と蘇り、胸が締め付けられるような苦しさを感じました。
まるで子どもの頃にタイムスリップしたかのように、当時の感情がリアルに蘇り、涙が溢れてきました。
「ああ、私は毒親育ちだったんだ…」と、改めて確信しました。
そして、様々な毒親のパターンが細かく分かりやすく書かれていたので、一気に読み終えることができました。
衝撃だった「毒親は一人ではない」という事実
私は母親だけが毒親で、父親は尊敬できる素晴らしい大人だと思っていました。
今でも父への感謝と尊敬の気持ちは変わりません。
しかし、「毒親」は母親だけでは成立しないことを知ったのです。
体調不良や精神的なダメージを受けていると知っていながら、見て見ぬふりをしたり、「もっと我慢しなさい」と言っていた父もまた、毒親だったのです。
夫婦は一体だと考えるべきだと、本には書かれていました。
冷静に考えれば、その通りだと理解できます。
しかし、どちらか一方に焦点を当てている時は、「父は良い人なのに、なぜ母と結婚したのだろう。大変で可哀想だ」と考えていました。
我が家の父は、「ジャイアンタイプ」だったのだと思います。
表面的には上手く立ち回っているように見えても、私を助けなかった時点で、毒親と同じだったのです。
「私の場合、どうなんだろう?」と思われた方は、ぜひ「気づけない毒親」を読んでみてください。
毒親だと気づいてから
忘れようとしていた記憶が次々と蘇り、悲しみや嫌悪感、そして過去の苦しみを思い出し、怒りがこみ上げてきました。
過去と向き合うのは本当に辛い作業でしたが、気づけたことで、これから自分の子どもに対してできることがあると信じています。
もちろん、これで終わりではなく、現在進行形です。
知れば知るほど、親に対する見方、気持ち、感情が変わっていきました。
どうしようもない怒りや悲しみも込み上げてきます。
人によっては、知ることで苦しむこともあるかもしれません。
それでも、自分の成長や変化を望むなら、避けては通れない道なのかもしれません。
毒親育ちだと気づいたことで、自分は思っていたよりもまともな人間だと気づけましたし、自信もつきました。
過去に植え付けられた価値観よりも、「私は必要とされている」と思えるようになりました。
両親に対して怒りを持てたことも、ある意味、自分にとっての革命だったのかもしれません。
親からの呪縛
子どもの頃から、私は何度もこんな言葉を浴びせられてきました。
- 「お前なんか産むんじゃなかった。もっとおとなしい子が良かった」
- 「ただ体が大きいだけで邪魔」
- 「どうせお前には○○しかできない。○○さんはもっとちゃんとやってる」
- 「お前のせいで、私は○○ができなくなった」
- 「私は大変な思いをしてお前を育ててきた。お前のために頑張ってきたのに」
- 「泣くな!うるさい!」
まるで私の存在が迷惑で、自分の全てを犠牲にして育ててきたと言わんばかりの口ぶりに、「じゃあ、なぜ私を産んだの?」と疑問に思うばかりでした。
機嫌が悪くなると一緒にいるのが怖く、居心地が悪いため、私はいつも顔色を窺い、機嫌を取るようにしていました。
聞きたいことがあっても、電話をかけることすらためらわれました。
電話をかけても、第一声が「何?今忙しいんだけど?」だと、伝えるべきことも言えなくなってしまいます。
学校であったことを相談したり、悩みを打ち明けようとしても、馬鹿にされたり責められたりして、まともに話を聞いてもらえなかったため、いつしか相談することを諦め、ただの大人と子供という関係になっていったように思います。
大人になった今でも、私が楽しく頑張っていることを否定し、妬んでくるのです。
私の恵まれた状況や環境は、努力ではなく運や、良い配偶者のおかげだと言うのです。
「お母さんは○○さん(私の友達)のことが好きになれないわ。どうせあんたは捨てられるよ」
「いいわね、あんたは何でもできて」
「○○くらいなら、仕事をしていても時間を作れるでしょ?だから頼まれたらやってあげて」
こちらの事情や都合はお構いなしに、自分の提案を飲まないと、明らかに機嫌が悪くなったり、泣きそうな声で罪悪感を抱かせようとしたりします。
強く断ると「あんたは薄情だ」と、私が悪者になるのです。
不思議なことに、母は外ではとても評判が良く、Instagramのフォロワーも多く友達もたくさんいます。
キラキラした毎日を投稿していますが、私はそれを冷めた目で見ています。
褒め称えるコメントを見ると、吐き気がするほどです。
たまに電話がかかってきても、ネットショッピングの買い物を頼まれたり、周りの人の愚痴やネガティブな言葉ばかりで、相談に乗っても改善する気がないのが見え見えで、全く話になりません。
話した後には、いつも気持ちが落ち込み、何のための時間だったのかと後悔します。
たまに一緒に食事をすることがあっても、母のコロコロ変わる機嫌に振り回され、会った翌日は寝込んでしまうこともあるので、気軽に会うことができません。
また、会う前や会った後の夢に高確率で母が出てきます。
夢の中でも、母に酷いことをされ(実際の記憶と重なるような内容)、うなされたり泣きながら起きることもあります。
文字にすると「それくらい誰でもある」と感じる方もいるかもしれませんが、これらのことは長い間、呪いのように私を縛り続けてきたのです。
自分の判断に自信が持てない、人目を気にしてしまう、気に入られようと媚びてしまう、無理をしてしまうといったことは、全て母との関わりで身についたものです。
人と良い関係を築きにくく、仲良くなる人が男性ばかりで、女性と友達になることを避けてしまうのも、母との関係が原因だったと分かりました。
今は自分のため家庭のためにも、穏やかに過ごせるよう、母との関わりを避け気をつけるようにしています。
親を変えることはできない
私がずっと忘れられずに苦しんできた数々の出来事を、母はほとんど覚えていません。
私が傷ついてきたことも、もちろん知りません。
むしろ、私のことを「変わった子、理解できない子」だと思っているはずです。
結局、どんなに衝突しても、母にとって悪いのは私なのです。
母の両親も精神的に不安定で、私も子供の頃に振り回されたことがありました。
つまり、母も毒親育ちだったのです。
だから、仕方がないのかなと理解しようと努めています。
しかし、そこから抜け出そうと努力しなかったのかと思うと、疑問に思うしまた怒りがこみ上げてきます。
もう過去のことなので、追求しても意味がないと分かってはいるのですが。
それに、時代背景も影響しているのかもしれません。
私の子どもが幼稚園に入る前、家に遊びに来ていた母と大喧嘩したことがありました。
その時、初めて母を罵倒したのです。
怒りに任せて、言葉が次々と溢れ出ました。
振り回されることにうんざりしていたので、溜まっていたものを全てぶちまけたのです。
これで私が日頃連絡を取らない理由や、私の怒りや気持ちが伝わっただろうと思っていました。
しかし、母は目を丸くして、
「私(母)に連絡しないのは、あなたが立派にやっているから(ここでは子育て)、頼る必要がないからだと思っていた。友達に、よくできた娘だと自慢していたのよ」
と、全く的外れなことを言うのです。
確かに、産後はかなり頑張りました。
でも、あれだけ私の怒りや気持ちを聞いた後に、よくもそんなことを言えるものだと、呆れてしまいました。
そんなところだけポジティブでどうするんだ、と。
もう、この人とは平行線のままだと確信しました。
変わることを期待しても、私が疲れるだけ。
期待もしないし、求めもしない。
変わるのは、私自身。
対策や術を身につけるしかない。
それが、私が穏やかに生きていくための唯一の方法なのかもしれません。
この本から得たもの

Alexas_FotosによるPixabayからの画像
毒親に関する情報を得られたことも大きな収穫でしたが、それ以上に、この本をきっかけに「自分を変えたい」「こうありたい」と思えるようになったことが、私にとって大きな意味を持ちました。
客観的に自分自身を理解することは、変化や成長のために不可欠です。
改善すべき点、自分の弱点、そして心の奥底で何が引っかかっているのかを把握しなければ、具体的な対策を立てることはできません。
「毒親」について最近知った方、これから学ぼうとしている方にこそ、この分かりやすい「気づけない毒親」をぜひ手に取っていただきたいです。
読まれた方の反応は?
Twitterで「気づけない毒親」を読まれた方のクチコミ(感想)を拾ってみましたよ!
今日高橋リエさんの「気づけない毒親」の本を読ませて頂きました。
子供に対する接し方がその時だけでなく、人間形成にかなり影響を与えることがわかりました。
これを見直すことによって、生きやすい個人、家庭、社会ができるのではないでしょうか?
すごく為になりました。 pic.twitter.com/IKl7FXna5b
— バスィート@自己の再創造中 (@ijIWZMa6AnOZcDc) July 25, 2020
高橋リエ 気づけない毒親
昭和の時代は「毒」となる言動が社会の中でまかり通っていたのだと気づいた。毒親と呼ばれる人々も幼少期に「毒」に晒された経験があるのかもしれない。
(勉強のために読んだ)#読了#読書好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/oqBpGl2GOC
— ゴードン (@orehamakenai7) January 22, 2022
著者、高橋リエさん「気づけない毒親」
なぜ毒親が生まれてしまうのか?!
毒親を独自に研究するために、読んでおきたい一冊! pic.twitter.com/m4l0cubRnD— 浅野健太郎 (@billywilder8) August 11, 2019
ここまでドンピシャに当てはまるとはね…。
ADHAやアスペ、パーソナリティ付近をずっと調べてたけど
なんか違和感あったのはこういう事だったのね。これから親になる人にも読んでもらいたいね。
【気づけない毒親】高橋リエ pic.twitter.com/rpyjp9Lq2Z
— んだよし🌸 (@ndayoshi) December 12, 2021
最後に
この記事を書きながら、実は少し罪悪感もありました。
母がこの記事を読んだらショックを受けるだろうな、とか、このブログの存在は絶対に知られないようにしよう、とか(笑)。
「そんな風に思っていたのね。ごめんね」なんて言葉は期待していませんし、どうせまた責められて終わりでしょう。
もしかしたら、根に持って、いつものように私をけなしてくるかもしれません。
私が子どもの頃、周りの大人に家の様子を話しても、「親不孝だ」とか「お母さんも一生懸命なんだから、分かってあげなさい」と、いつも抑え込まれてきました。
実際、そうなのかもしれません。
私は親不孝なことを言っているのかもしれないし、母なりに一生懸命だった部分もあったと思います。
でも、今は子供が正直に感じたままに生きることが大切だと思えるようになりました。
自分が親のような生き方や子育てをしたいかどうかを考えてみると、答えは簡単です。
私は「NO!」です。
自分のような子供を育てたくはありません。
だから、変わりたい!変わってみせる!と強く思っています。
時々、過去の呪縛が蘇り、毒に侵されそうになることもあります。
これから両親が年老いて、さらに別の問題も出てくるでしょう。
正直怖いですし、憂鬱です。
でも、今の段階でたくさんのことに気づけたので、年老いた両親を前にしても、子どもの頃のように呪縛に苦しむことは減るのではないかと思っています。
何も気づかずに「毒親?何それ?」という状態で生きていたら、これからも無駄に自分を責め続け、苦しんでいたかもしれません。
親子関係で悩んでいる方、子育てで悩んでいる方、私も同じように悩んでいる一人です(笑)
気楽なブログを書いていますが、「楽しく生きていくために必要な苦しみ」は、一緒に乗り越えていきましょう!
経験したくないことではありますが、過去にばかり囚われていても、前に進めませんから。
↓その他の読書感想文はこちら
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