実際の事件の取調室の録画映像で見る心理戦！

 

2023年早々にアメリカから日本に入って来た「密着！緊急取調室」（全10話）は、犯罪＆捜査チャンネル「Crime + Investigation（クライム アンド インベスティゲーション）」の番組で、取調室の固定監視カメラに残された実際の映像がメインの、非常にリアルな心理戦を見られるドキュメンタリーです。

また事件に携わった捜査官や、被害者の家族や友人のインタビュー映像も挟まれていて、ひとつひとつがリアルに視聴者の耳と心に入って来ます。

1話完結で各話違った事件の真相に迫るので、見応えは十分！

ただ実際の事件現場の動画や写真（モザイクなどはあり）、通話音声が頻繁に出て来て、中にはギョッとする陰惨な場面もあります。

その辺は少々ストレスを感じるかもしれませんので、視聴される際は心構えが必要かも？

 

 

 

あらすじ

【作品紹介】
事件解決のカギを握る取り調べ。そこでは容疑者と捜査官とのし烈な心理戦が巻き起こる。黙秘する者、ウソで状況を混乱させる者、巧みに裏工作を図る者など、したたかな容疑者から、いかにして自供を引き出すのか？取調室の記録映像を元に、捜査官たちの壮絶な駆け引き術に迫る！
Huluより引用

 

予告動画

 

感想・内容振り返り

 

この手のドキュメンタリーは嫌いではないので、捜査官の話し（考察や作戦）を「ほうほう。」と聞いていましたが、なかなか辛いものでした。

色々な事件があるように、捜査官も犯人も様々で、どうやって攻め込んでいくのか、取り調べの限られた時間をどう使うか、一刻一刻を争う事件を解決へと導き真相に辿り着く難しさを痛感。

苦悩と試行錯誤、そして駆け引きの連続。

これはイッキ見には適してませんね（笑）

どの事件も悲惨なのは変わりないですが、モヤモヤっと不快感のまま終わるものもあります。

犯人逮捕となっても、動機や真相という意味ではまだ未解決のままだったりするからです。

犯人に同情の余地はないものの、それぞれに抱えている事情や背景などによっては、ホントは別の人生（犯罪を犯さない）を歩めていたんじゃないのかなとシンミリと考えてしまいました。

 

取調室は”あんな”イメージじゃなかった！

取調室と言えば、ポツンと真ん中に置かれた机があって、犯人と捜査官が向かい合って座り、なかなか話さない相手にイラ立って机を叩き、「おまえがやったんだろーーー！」と怒鳴ってるイメージありません（笑）？

それか机をひっくり返して、取っ組み合いになるような感じとか（笑）？

 

私はこういうイメージがあったんですが、どのエピソードの取調室も普通の簡素な部屋に椅子と机って感じでした。

物々しい雰囲気もなく、なんなら捜査官が席を立つ時クリップみたいなのも置いたまま出て行くし、他に物だってありました。

まぁ、段階的に変わるのかもしれませんが、ちょっとした事務所みたいなスペースだったのも、なんか印象深かったです。

 

全て捜査官の作戦

捜査官はどんな態度を取るかどんな口調で話すか、立ったままか座るのか、どんな姿勢で座るのかなど、容疑者の様子に合わせて様々なパターンで攻めて来ます。

女性捜査官の方が好ましければ女性にし、若く見えるようにポニーテールにしたり、見た目も犯人の心理にどう作用するのか計算されていました。

彼らが貝になって弁護士を要求して来たら終わりなんで、限られた時間でどれだけ聞き出すかが勝負。

だから相手がどんな仕草をするか、どんな反応をするかで臨機応変に作戦も変更され、ジワジワと自白へ自白へと導かれてゆくのです。

時と場合によっては怒鳴ることがあるかもしれませんが、基本的には相手をリラックスさせることが大前提だったんです。

食べ物を与えたり、寒そうにしてたら上着だって貸してあげます。

 

でも隙あらば的確に攻めていくのがさすがでした。

 

 

印象に残ったエピソード

全て悲惨な事件ですが、特に不快度高めの2つのエピソードを振り返ります。

 

「#3　信頼への裏切り」

俗にいう「胸糞悪い事件」だったんですが、被害者に対して虚しさも感じる結末でした

 

事件内容はトレーラーハウスの火災から始まりました。

激しく燃えていたトレーラーハウスからメリッサの遺体が見つかったのですが、その日メリッサが預かっていた友人アマンダの娘（5歳）が行方不明になっていたんです。

もしかして火災に巻き込まれた！？と捜索しますが、子どもの姿や遺体は見つかりません。

ということは、誘拐されたのかもしれない！とたちまち緊急性が高まりました。

 

容疑者は被害者の交際相手？

でも早々に容疑者が浮上。

その人物は過去に児童○○○所持で前科ありの男性ジェイコブで、捜査官の間では名の知れた人物でした。

そんなジェイコブが、なんとメリッサと交際関係にあったという証言を得たんです。

ジェイコブはメリッサとは半年以上会ってないと言うし、関与を否定しますが、怪しさは払拭できません。

 

この2人は純粋な恋人関係というよりは、出会ったのはオンライン。

「パパと娘」という設定で、ロールプレイにハマってたらしい。

自分をパパ呼びする強引なジェイコブの文章と、子どもが親の顔色を伺うかのようなメリッサの文章が交互に何度も何度もやり取りされていました。

 

 

誘拐に加担していた被害者

でも彼らのやり取りは、これだけじゃなかった！

メリッサは女児を好むジェイコブに好かれようと必死だったのか、彼の望みを叶えてご機嫌を取ろうと、アマンダを裏切り娘を誘拐する計画を立てていたんです。

襲われて子どもをさらわれたシナリオにすべく、自分も無傷より負傷してる方が疑われずに済むんじゃね？と提案してたんです。

メリッサがノリノリで加担してたなんて……意外な展開にビックリしました。

 

大切な友人を裏切ったメリッサも許せたもんじゃないけど、結局利用された挙句殺害されてしまったのもただただ虚しい。

 

アマンダはこの時だけじゃなく、それまで何度もメリッサの希望で子どもを預けていたんだそう。

きっとこの女児もメリッサと過ごす時間を楽しんでいたんだろうなぁ。

そんな信頼関係を築いていた相手に裏切られたショックと、裏切者とは言え友人だと思っていたメリッサが殺害されたというショック。

感情のごった煮で消化しきれないですよね。

 

捜査官の熱い思い

捜査官が必死に行方を追っていた女児は、奇跡的に見つかり無事だったんです！

怪しげなキャンピングカーを広大な土地から見つけ出すことに成功しました。

 

キャンピングカーのドアが開かないよう、ドアノブにグルグルに巻かれたテープ。

ここを開ける時とてつもなく緊張されたそうです。

 

そりゃそうですよね。

どんな光景が目に飛び込んで来るのか、どうしてもネガティブな絵面を想像しますもん。

救出に向かった捜査官が携帯で撮影した動画には、女児が拘束されていたのが分かるテープの痕が生々しく手に残っていました。

女児は捜査官に向かってハッキリと頷き受け答えをし、ジェイコブの特徴などもしっかり言葉で表現。

 

誘拐事件は一刻一刻を争うため、当時関わった捜査官がいかに必死になっていたのかが分かるインタビュー動画でした。

感情に左右されない強靭メンタルイメージの強い「捜査官」という人たちが、声を詰まらせる場面があったんです。

当時を思い出してまたグッと来てる感じでしたね。

ホントに助け出すことができて良かった！その気持ちがヒシヒシと伝わって来ました。

 

「#6　歪んだ愛情」

このエピソードこそ、まるで映画のような話し。

理由としてはこちら。

 

ショッキングな現場写真と、被害者の娘による泣き叫ぶ通話音声、次々に出て来る事実や経緯など全てにおいてパンチのある胸糞悪い結末でした。

 

里子に殺害されたリサ

家庭問題を担当するソーシャルワーカーだった被害者リサは、仕事の枠を超えて問題を抱えた子どもたちに向き合い自宅でも積極的に世話をしていたそうです。

リサには離婚歴があり前夫との娘1人、現夫ケビンとの娘1人がいたのですが、17歳のサブリナを里子として迎え入れました。

サブリナは、祖母や父親に問題があり施設に入れられ、数々の施設や里親をたらい回しにされ、愛情を注がれず善悪の教育も見本となる大人もいない状態で育ってきたようです。

 

不遇な環境で育って来たサブリナは、リサの里子になってからわずか1年ほどで事件を起こしてしまいました。

しかも救おうとしてくれたリサを殺害するという最悪な形で。

 

更に残酷なことにリサの娘たちが、サブリナの犯行を目撃し通報していました。

実際の音声が流れましたが、あまりにもショッキングすぎて、想像すらできません。

自身も怪我をして血まみれになっていたサブリナは、逃げることもなく確保され、そのまま病院に搬送。

手当てを受けた後、取り調べを受けていました。

見るからに情緒不安定な様子で、自身の犯行を否定しないものの、核心部分については何も話しません。

 

ただの里親と里子じゃなかった

でも調べを進めていくうちに、サブリナを操る人物が浮上したんです。

 

それは、リサの夫ケビンでした。

彼は事件当日はトラック運転手の仕事で家にはいなかったんですが、リサの死に動揺や怒り悲しみも見せず冷静で奇妙。

娘たちを心配する言葉も一切無し。

彼の身近な人間からも「妻の事件に無関心」と証言があり、まさにそんな感じ。

 

それだけじゃなくケビンとサブリナのSMSが、数週間で1000通以上見つかったんです。

 

ケビンのアリバイは完璧だけど、事件直前までSMSのやり取りが続いていたり、何かしらケビンが関与してるんじゃないかと疑ってしまいます。

 

リサは離婚を考えていた

案の定、ケビンが関与してました。

 

実は良好に見えた家族関係は壊れていたようで、リサはケビンとの離婚を考えていたそうです。

しかもその原因がサブリナ。

 

 

そう！

サブリナとケビンは○○関係があったんです。

 

きっと仕事柄リサも気づいてたんじゃないかと言われています。

その証拠に（？）リサのサブリナへの当たりが強くなり、親子関係は悪化していました。

 

ケビンは「リサとの暮らしは耐えられない！」と度々泣き崩れて、サブリナが自分を助けてあげたいと動き出すよう仕向けていた様子。

孤独なサブリナをいいように利用していたんだと思います。

リサがいなくなったら、みんなで家族になれるとか、色々素敵な未来を吹き込まれていたんだそう。

ちゃんとした家族を持ったことのないサブリナにしたら、こんなに自分を必要としてくれる里親から離れたくはありません。

サブリナの友人も「聞く耳を持たず男の言いなりだった」と証言していて、一種の洗脳状態だったのではと思えますね。

他にもケビンはリサに多額の生命保険をかけていて、ちゃっかり事件後受け取り家や車やと高額な買い物をしていたらしいですよ。

サブリナは捕まったとしてもすぐに出て来れると聞かされていて、ケビンが助けてくれると思ってたけど、ケビンはさらさらそんな気もなく、関与を否定し知らぬ顔。

時間と共に目が覚め裏切られたと悟ったサブリナが、司法取引に応じて証言しました。

 

40過ぎた大人が、不幸な生い立ちの里子を利用するだなんて。

リサも無念すぎますよね。

仕事でたくさんの問題を抱えた家庭や子どもたちを救って来たのに、自身の里子に殺害されてしまうなんて。

 

ケビンは一生刑務所の中

ケビンももちろん罪に問われ、有罪判決を受けました。

とまぁ盛り沢山。

リサの保険金でホクホク生活して逃げ切ろうとしてたし、こうやって罰を与えられて良かったです。

彼の評決は通常より出るのが早かった（2日くらい）んですって。

直接リサに手を下してないにせよ、自分の勝手な欲でたくさんの人を不幸に陥れた罪は重いです。

 

サブリナは禁錮30年だけど…？

ちなみに凶行に及んだサブリナは、2014年に加重謀殺の罪を認め禁錮30年（仮釈放の可能性あり）を言い渡されました。

裁判官からの質問に、声を震わせ答えるサブリナ。

自分の有罪を認めるとハッキリと答えていました。

刑務所でどう過ごすかによって、刑期も変わるとのこと。

サブリナは殺人犯ではありますが、同時に被害者でもあります。

心に深い傷を負っているのは間違いありません。

1人の人間として女性としてたくさんの幸せを感じられる人生を送ってもらいたいです。

 

 

みんなの評価やクチコミ

 

U-NEXTで配信中の『密着！緊急取調室』を見る。事件の容疑者を自白に導く取調官のテクニックを紹介する番組で日本の警察みたいに「お前がやったんだろ！」と机を叩いたりするのはひとりもいなくて穏やかに諭すように問いかけるところが特徴 pic.twitter.com/G6DO56C1KU

— しばりやトーマス (@sivariyathomas) February 3, 2023

Amazonプライム・ビデオに追加された密着！緊急取調室ってドキュメンタリー見てたけど養母をパン切りナイフで滅多刺しにして殺した里子の少女の事件、裏で関わっていた人物がとんでもない糞野郎だった…

— サハリ (@noraneko_sahari) January 12, 2023

 

 

 

 

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