2024年7月からHuluで観れる!地味だけど力作!ナオミ・ワッツの迫真の演技でつなぐ84分
今回ご紹介するのは2023年5月12日公開の「デスパレート・ラン(原題:The Desperate Hour)」(2021年アメリカ)。
ナオミ・ワッツがスマホ1台で息子を救う予測不可能な新感覚シチュエーション・スリラーです!
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あらすじ
夫に先立たれたエイミーは、癒えぬ寂しさを抱えながらも平穏な生活を取り戻そうと懸命に働いていた。ある朝、いつものように子どもたちを学校へと送り出し、ランニングに出かけたエイミーだったが、遠く離れた森の中で、息子が通う高校で立てこもり事件が発生したことを知る。町は混乱に陥り、助けも移動手段もない中、エイミーは1台のスマホを頼りに、愛する息子を救出すべく動き出す。(映画.comより引用)
予告動画
登場人物・キャスト
エイミー・カー
𝐂𝐇𝐀𝐑𝐂𝐀𝐓𝐄𝐑
エイミー|#ナオミ・ワッツ
━ v ━━━━━━━━━━夫を亡くし、子供のために
平穏な生活を送ろうと懸命に働く母👩👧👦ある朝ランニングに出ると
息子の学校で立てこもり事件が発生⚠️愛する息子を救うためスマホ1台📱で走り出すが…!#デスパレート・ラン 5.12(金)公開🏃♀️💨 pic.twitter.com/h7m5QVY1Ue
— 映画『デスパレート・ラン』公式|5月12日(金)公開 (@desperate_run) April 9, 2023
✅演:ナオミ・ワッツ
- 1968年9月28日生まれ
- イギリス出身
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ノア
✅演:コルトン・ゴボ
- 2000年9月20日生まれ
エミリー
✅演:シエラ・マルトビー
ピーター
✅演:クリストファー・マラン
配車サービスドライバー
✅演:ポール・ペイプ
- 1952年7月17日生まれ
- アメリカ出身
ロバート・エリス
✅演:アンドリュー・チャウン
グレッグ
✅声:ジェイソン・クラーク
- 1969年7月17日生まれ
- オーストラリア出身
フィッシャー先生
✅声:レベッカ・フリン=ホワイト
ヘザー
✅声:ミシェル・ジョンストン
CJ
✅声:デビッド・リール
ディードラ
✅声:デブラ・ウィルソン
スーザン
✅声:ジャクリーン・キング・シラー
ポールソン刑事
✅声:ウッドロウ・シュリーベル
ブラント巡査部長
✅声:エレン・デュビン
監督はフィリップ・ノイス
✅監督:フィリップ・ノイス
- 1950年4月29日生まれ
- オーストラリア出身
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感想・内容振り返り
公開初日に観てきましたよ。
リーアム・ニーソン主演の「MEMORY メモリー」と悩んだんですが。
私が観る時間帯あるあるなんですが平日の朝一番って、人生の先輩方が集まる時間帯のようでして、今回もご年配の方が多く来られてました。
ということで、ポップコーンを抱えて席についたのは私だけでいざスタート!
まずは軽く流れをご紹介しておきたいのですが、ここでは【ネタバレ】にならないようザックリと序盤を。
夫の一周忌目前のある朝
1年前に夫を亡くしてから、高校生の息子ノアとの関係もイマイチで、身内や友だちからも心配されているエイミー(ナオミ・ワッツ)。
この日は娘エミリーを迎えに来たスクールバスを見送り、学校へ行きたがらない息子ノアを起こして、とりあえず自分はジョギングしてくるわねと外出。
普段から走り慣れているのか、身軽な足取りでどんどん人里離れた森の中へ。
視界イッパイに広がる森の景色がなんせ気持ちがいい。
背の高い木々や日差しを浴びて透けるように輝く緑の葉。
人の気配はゼロ。
マイナスイオン独り占め状態で、小さな悩み事なんてどうでも良くなりそうなリラックス空間。
そんな景色を目の前に、夫からの留守電を再生したエイミーはどんな気持ちで聴いていたんだろう。
美しく儚げなエイミーの表情が、夫への愛情の深さを感じさせます。
この時間は束の間ですが、とても穏やかで静かな「ひとり時間」。
引きこもって伏せってるわけではないけど、今はにぎやかな環境や繋がりを持つよりも静けさを求めているような印象でした。
何台もすれ違うパトカーと、着信の連続
だけどこのジョギング中も、家族や友だちや同僚などから次々に通知や着信があって「ひとり時間」を満喫できない。
ただでさえ走って苦しいのに、こんなしゃべらされたら余計に息切れるやん!
若干お節介臭がする母親との会話の途中、猛スピードで走る数台のパトカーとすれ違い、ちょっと嫌な予感。
警報音からパニックへ
マイナスイオンたっぷりの美しい森だったはずが、保安官事務所からの《立てこもり事件発生の警告》を見た途端エイミーにとって「情報が遮断された閉鎖的な孤独空間」に早変わり。
こんなところにいてる場合じゃない!
一刻も早く学校の方へと戻りたい。
まずはそれを確認したいけど、こんな緊急事態で情報は容易く入りません。
ママ友も同じくパニックだし警察がペラペラ話すわけもない。
どこも混乱状態で一向に安心できる情報も得られず、エイミーはどんどん不安に駆られます。
少し前まで静かで穏やかな時間を求めていたのに、今は不安すぎて人の側にいたい。
息子を失うかもしれない恐怖から、昔の思い出が蘇り始めます。
夫が生きていた頃は、息子と娘の笑顔が溢れ明るい家庭だったことが分かります。
ここ最近の状況とあまりにも違いすぎて、このギャップにも心が痛くなりました。
果たしてエイミーは息子を助けられるのか!?
スマホの充電はどこまでもつのか(笑)!?
そんなことを思いながら観ておりました。
充電の心配と言えばドラマ「24」を思い出すなぁ。
最大の見どころはナオミ・ワッツの一人芝居
言うまでもなく本作の見どころはナオミ・ワッツの一人芝居。
正直ストーリーよりもナオミ・ワッツなんです(笑)!
「暴かれた事件の真相」「衝撃のラスト」なんて言葉とは無縁な、一直線ゴールを目指しているストーリー展開で至ってシンプル。
だけど退屈にさせないのは、やはりナオミ・ワッツの演技の力ではないでしょうか。
人のいない森の中すぐに身動きが取れない環境で、スマホの機能を駆使して息子の無事を確認しようとする必死な母ちゃんを演じています。
必死すぎて人に迷惑かけちゃうあたりもある意味リアル!?
緊急事態でイイ子ちゃんではいられない。
そんな「はぁ(´Д`)?」と声が漏れそうな行動を取るところにも説得力があるのは、ナオミ・ワッツ自身が2人の子持ちだからかな。
真っ直ぐなメッセージ
ナオミ・ワッツの迫真の演技で集中力は途切れないけど、「THE GUILTY ギルティ」みたく意味深なセリフや、観た後にそれぞれの解釈が生まれるような余韻は無いタイプ。
ただ「デスパレート・ラン」の立てこもり事件そのものは銃社会が生み出した悲劇。
日常茶飯事でなくても、銃におびえて暮らす瞬間があることだけでも息苦しい。
実際海外で発生する銃乱射事件は学校で起きることも多いような……
そういう意味では真っ直ぐなメッセージを感じる作品ではありました。
学校は安心して子どもたちが過ごせる場所であってほしいね。
明日は生きてるか分からない
父親を亡くしたショックで鬱病になってしまったノア。
話しかけても背を向けて、もう息子が何を考えているのか分からないと嘆くエイミー。
そんな状況で起きた立てこもり事件。
恐怖の現場から本当はママを愛してるよとメッセージを送って来たノア。
この事件をキッカケに、やっぱり互いに背を向けていたらダメだよねと向き合える関係に戻っていたらなぁと願うばかり。
今日元気でも明日があるか分からない。
私だって予測不可能な事件や事故、災害に巻き込まれてしまうかもしれない。
いて当たり前と思っている家族とも、どんなタイミングで会えなくなるかなんて分からない。
先延ばしにしたり冷たい態度を取ったことを悔いる日が来るかもしれない。
自分の日々の何気ない態度をふと振り返ってしまうエンディングでした。
家族や友だちと溝ができた経験がある人や、反抗期真っ只中の子を持つ人には特にグサリと刺さる映画かもしれませんね。
【ネタバレ】イラッとしたエイミーの行動
「最大の見どころはナオミ・ワッツの一人芝居」に書いた”「はぁ(´Д`)?」と声が漏れそうになる行動”とやらについて。
いきなりですがここはネタバレなので鑑賞前の方は「最後に」までスルーしてくださいね。
学校近くの車屋(整備とか)CJに電話をかけたエイミーは、外に出るなと警察に言われている状況なのに、息子の車が学校駐車場に止まっているか確認してくれと頼みます。
そして息子が学校にいることが分かるんですが、その後警察が何故か息子の車を調べているとCJから知らされます。
その後刑事からエイミーに電話があり「家に銃器はありますか?」など意味深な質問が。
「そう言えば最近伏せってるし父親の死に納得がいかないとこぼしていた。もしかしてノアが!?」
と一瞬母親を試すかのように不安を煽る展開を挟み込んで来ます。
そうこうしているうちに、他にも調べられている車が4台(だったかいな?)あると知り、そのナンバーからCJに個人情報を引き出させ車の持ち主の名前が判明。
そしてママ友の子どもに4人の名前を知ってるか尋ね、1人怪しい人物ロバート・エリスが浮上します。
まぁかなり強引だけど、ここまではまだ理解はできるかなぁ……と。
ここからなんですが、このロバート・エリスの個人情報を職場の特権を利用して同僚グレッグに頼み調べるんですよね。
納税記録がどうとか、以前学校の食堂で働いてたとか、いろいろと怪しい情報が出て来るんです。
で、こいつに間違いない!と踏んだエイミーは、何を思ったのかロバートの携帯に電話をかけるんです(笑)
そして「息子は無事?」と犯人に聞くんですよ。
ありえなくないですか!?
立てこもり事件の犯人に直接安否確認して、「ノアのママ?あぁうん、無事だよ。解放するの待っててねー。」なんて言うはずがない。
余計に目をつけられて脅されたり興奮させて逆上するパターンだって大あり。
他の子どもたちや先生に何かあったらどうすんねんっ!
さすがに自分勝手でKYなモンペすぎて、エイミーを遠い目で見ちゃう私がいました(笑)
案の定刑事に邪魔するなと怒られてましたが、結局エイミーの通話が役立つ瞬間もあって終わりよければナンチャラってやつに。
メデタシメデタシだけど、こういうのやっぱダメだよねぇ。
最後に
映画館で鑑賞できた「デスパレート・ラン」は基本主人公と通話相手とのやり取りで、視覚的に派手要素はありませんが、ナオミ・ワッツの見事な熱演で地味ながら見応えのある作品に仕上がっていました。
素直に力作と感じましたよ!
大きなスクリーンで臨場感もグッとUPし、美しい自然の彩りから森の中の空気をリアルに感じることができました。
それにナオミ・ワッツって、もう50代半ばなんですね。
そう思えない美しさとスタイルにもビックリでした。
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